ワイン王国主催のオンラインセミナーご報告

2021年8月26日にワイン王国主催のオンラインセミナー

「川邉久之氏が語る 今、注目の日本ワイン」を担当致しました。


今回のオンラインセミナーは、『ワイン王国123号』(6月5日発売)の第一特集『日本ワイン ブラインド・テイスティングで選んだ本当に美味しい63本』より私が選んだ5本について、醸造の見地を交えながらお話させていただきました。


改めて説明すると、『ワイン王国123号』では、選び抜いた日本ワインを215本、ワインジャーナリスト、ソムリエ、エノログで構成された6名がブラインド・テイスティングし、評価の高かったワインをご紹介しました。


この評価の基準は、先ずワインの品質としての健全性は勿論のこと、品種特性、バランス、完成度など輸入ワインと同様にグローバル基準と照らし合わせたもので、甲州、マスカット・ベーリーA、マスカット・ベーリーA、甲州以外の日本品種、国際品種 白・赤、ロゼワイン、スパークリングワインのカテゴリーに分類されて行われました。


その掲載された63本より、今回は以下の5本を私が選んで紹介いたしました。

★下北ワイン カノンスパークリング 2019年(サンマモルワイナリー 青森県)

★源作印 GKT 白 NV(秩父ワイン 埼玉県)

★安曇野ソーヴィニヨン・ブラン 2020年(安曇野ワイナリー 長野県)

★常滑ピノノアール ロゼ 2020年(常滑ワイナリーネイバーフット 愛知県)

★京都丹波 ピノ・ノワール ヴィエイユ・ヴィーニュ 古木樽熟成 2018年(丹波ワイン 京都府)


今回、ワインの紹介で私が心がけたことは3つあります。


①ワイナリーの場所

これは、ワイナリーの存在する所が、多くの方々がイメージしている典型的な都道府県の場所と異なるからです。 例えば青森県であっても下北半島は、津軽海峡を挟んでいますが北海道の函館に案外近かったり、京都府の丹波は、洛中と呼ばれる京都中心部でない、『山の京都』と呼ばれる山間部であったりするところが興味深いからです。


②ワイン造りの工程と品質の素晴らしさの関係

品質の素晴らしさが、ワイン造りの工程でどこに起因しているかを、醸造技術者の目線から解りやすく紹介させていただきました。実は、ワイン造りは『9割の常識と1割の科学』と言われるほど、高い品質の原料ブドウの味を損ねることなく、素直に美味しく作り込む工程設計が求められ、今回紹介した5本のワインには、それが丁寧に盛り込まれているからでした。

例を挙げると、丁寧にブドウの果汁を搾って調整したり、赤ワインの美味しさを無理なく抽出する工夫が為されていることです。


③ワインと食事のマリアージュについて

今回紹介されたワインと特定の食事とのマリアージュに関して、ワインを構成する味の要素をベースに、科学的に相性の良いものを引き出し、なぜそれが良い相性を生み出すのかを説明させていただきました。


ゲストスピーカーのご紹介

今回は特別に、実際のワインを手掛けられた醸造家として、常滑ワイナリーネイバーフットの馬場 憲之さん、丹波ワインの内貴 麻里さんをお招きし、ワインを造られる際に特に気を付けたこと、また目指すワイン造りやワイナリーの特色、さらには、ワインに掛ける思いや夢をお話いただきました。



(写真上:常滑ワイナリーネイバーフットの馬場 憲之さん 

   下:常滑ピノノアール ロゼ 2020年を前に説明する川邉)



(写真上:丹波ワインの内貴 麻里さん、

 下:京都丹波 ピノ・ノワール ヴィエイユ・ヴィーニュ 古木樽熟成 2018年を

 前に説明する川邉)

特にワインに掛ける思いや夢を同じ醸造家目線でモニターを通して、意見を交わせたことは、大変刺激的でついつい時間の経つのを忘れるほどでした。


参加くださった皆様がたからは、日本ワインに関すること、今年の収穫年の状況など多くの質問を頂き、とても充実した1時間半を過ごすことができました。


コロナ禍で、まだまだ自由にワイナリーを訪問するのに、色々と障壁があるかもしれませんが、時が晴れた日には、きっと、このセミナーの思い出とともに、123号で紹介された素晴らしい日本ワインの造り手を訪問し触れ合える日々が戻ってくることを願って止みません。


改めまして、このセミナーに参加くださった皆様、また快く登場くださった醸造家のお二人、また主催くださったワイン王国 編集部の方々には心より感謝申しあげます。


上記の5本の内何本かは、いまでやさんのオンラインでお取り扱いがあるようです。

在庫状況は、日々変わると思いますが気になる方は、是非チェックしてみてください。


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エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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