北陸ワイナリー協会、果実酒講習会

5月14日(月)は金沢国税局 様の計らいにより、北陸ワイナリー協会への果実酒講習会において講師を務めさせていただきました。
北陸は石川、富山。そして福井と既存のワイナリーに加え、新たな生産者の起業もみられます。
そうした中で、ワインの欠陥回避による品質向上への取組みを紹介しつつ、基本的な欠陥臭の特徴と回避策、さらには根本となるそワイナリーサニテーションを紹介させて頂きました。

多くの場合、欠陥臭の特徴を当て物ゲームのように”臭いを取るように”閾値を感知する訓練がなされるのが、この手の講義ですが、最も肝心なのは、欠陥臭の原因を知ると共に、HACCP(危害要因分析に基づく必須管理点)的な取組みをとりいれ、製造工程上で先回りすることで、問題のトドメを刺し回避する対策を講じなくては、これら欠陥臭は一向になくなりません。
なぜなら、製造したワインに欠陥臭を感知できても、それは時既に遅しで、欠陥臭の発生したワインは商品価値を大きく損ねることから、ゲームオーバー!だからです。

こうした製造管理の考え方を、共通のワインという製品を造る生産者として、決して多大な投資や購買を必要としない、ちょっとしたマル貧的な技法でも、充分に現場に導入できる事例と、デジタルなどを要しなくてもアナログチックに科学的にモニターして状況を計りとれるコトを紹介し、来たるHACCPの義務化においても、企業規模の大小問わずして恐れることなく対応できる事実を説明しました。

東北地方、北陸地方、赤、白、ロゼ、泡ワイン…問わずとも、生のブドウを畑で収穫して仕込み、貯蔵・安定化させ、洗浄された容器に充填・打栓したものが安定していることを科学的に検証し出荷判定する! ことは業界として共通の命題であることから、これをHACCPのCCP(Critical Control Point: 必須管理点)として、精査する認識を共有し、それに向け前段階で欠陥臭を回避する策を参加者一同で共有できたと考えます。
初めて足を運んだ北陸は新幹線の”かがやき”の如くキラキラしており、訪れたホーライサンワイナリーでの山藤社長ご一家とのお話で、ワイン醸造の歴史を垣間見ると共に、懇親会での新鮮な魚介類、さらには空襲から逃れた古都金沢市の街の佇まいと、それに集うインバウンドの外国人ツアーの方々など、秘めたる可能性が未曾有に秘めていると実感いたしました。
お世話になりました、北陸ワイナリー協会、金沢国税局の方々、そして懇親会で素晴らしい料理とホスピタリティを提供くださった、金沢とどろき亭の木村ソムリエには心よりお礼を申しあげます。

次回は、高畠ワイナリーのブドウ部会の契約栽培家の研修に是非とも一向でお邪魔し、雪国での棚仕立によるワイン原料ブドウ栽培の意見交換ができましたら幸甚です。
m(_ _)m
高畠ワイナリー
エノログ 川邉 久之

エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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