高崎ワインアカデミーセミナーご報告

2020/9/7に仲沢酒店様 主催の「高崎ワインアカデミー」で、
「ワイン醸造:添加と工程には意味がある。添加と工程など醸造的な介入の意味、その歴史と未来」と題したオンラインセミナーを開催しました。


セミナーの時間は約2時間とフルボディとなり、内容は次の三つのパートで進行しました。


1.ワイン醸造の起源とは? “猿酒” を紐解くとワイン醸造の工程が見える!       
2.“何も足さないワイン”は理想か?ワイン醸造の添加物 歴史と未来?
3.”みんな大好き!“基本はブルゴーニュ ブルゴーニュ地方の「三種の神器」とは?


まず、ワイン醸造の工程における本質は、“猿酒” とも揶揄される自然酒の伝説を紐解くと見えてきます。
ブドウを破砕して容器に入れ、然界の有用な微生物が作用して(これが難しく、条件が整わないと腐敗します!)、発酵でアルコール飲料になり、さらに人類の飲酒習慣が重なりワイン文化が形成されたことを背景に、ワイン醸造の工程をお話しました。


つぎに、参加された方々がもっとも興味をしめされた添加物、とくに酸化防止剤などの目的で添加される亜流酸の起源とワイン醸造でのはたらき、また、議論の的になる「亜流酸が与える人体への影響」に関し、ワイン醸造での亜流酸添加の目的、ワイン中での亜流酸の形態、人体へ影響を及ぼす仕組みとワインでは影響を及ぼさない理由を科学的にわかりやすく説明し共有できました。


また、ブドウの成分を補正するために添加する糖や酸、また糖や酸が高すぎる場合の添加物や工程、また滓下げ剤などの添加物の詳細も説明し、加えて、亜流酸も含めた、添加物の未来を現在のトレンドを踏まえ説明できました。 多くは書けませんが、確実にワインは安全で良くなる方向に進化しています!


最後は、高品質ワインを醸造する技法として知られる「三種の神器」、樽発酵、シュール・リー、マロラクティック発酵を、それが生まれたフランスのブルゴーニュという銘醸地で紐解き、これがフランスの他の産地、フランス以外の産地でのワイン造りに影響を及ぼしたことについて解説いたしました。


今回の内容は、一般的にワインの教科書ではサラリと流されるところです。しかし、経口摂取されるワインとして、その製造方法や添加物とうのは、もっともっと消費者の方々に知ってもらうべきものだと感じました。


消費者の方々が気軽に訪れる事が出来る日本ワインのメリットとして、添加物や工程を低減し、ブドウ畑が育む美味しさをそのまま届けられる時代ももうすぐそこに来ていると期待できたセミナーでした!


参加された皆さま、また主催者の仲沢酒店 様、改めて深くお礼申しあげます。
次回は、11月2日月曜日の夜となります!


気になる方は、仲沢酒店様のサイトを✔してみて下さい!


#高崎ワインアカデミー #日本ワイン

エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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