安心院小さなワイン工房飲みました
安心院小さなワイン工房
「いのしし」Muscat Bailey A 2017
Non Filtered
小さなワイン工房
というから、本当に小さな設備なのでしょう。然しながら・・・
味わいは、品種特有の赤いフルーツ、柔らかな酸味とタンニンに支えられて優しく好印象で大きな広がりがあります。
南国の九州と言いたいですが、大分の安心院はむしろ瀬戸内テロワールで比較的降水量が少なく昼夜の寒暖差もありキッチリしたブドウの風味が溢れているようです。
カラッとした清々しいイチゴのフラネオール(別名 ストロベリーフラノンというイチゴを思わす香気成分)の特徴が心地よく、欠陥は全く感じられません。
設備が小さくても、それを巧みに使いこなしているようです。
日本のワイナリーには、製造数量に対する醸造設備の投資が世界でも目覚ましく、ときには破格に思える凄いエンジンを積んでいる醸造場も見受けられます。
まるで、SIMEI(イタリアで開催される国際ワイン醸造壜詰機器展示会)か?と思うものも登場していると言っても大袈裟でありません。
自動車、コンピューター、スマホ 等々、機器は上を見たらキリがありません。しかし、どんな機械にも投資額と品質のアウトプットで飽和曲線を描くところがあります。
別な言い方をすれば、ワイン醸造とは、ハイエンドでアップデートされた設備から造られたワインと、非常に初歩的で前近代的な設備から造られたワインとが同じ土俵で互角に勝負できる世界だと思います。そうしたことを教えてくれた、この小さなワイン工房のワイン。
無理せずに、力まずに最小減のストレスで造られた感じが風味に映し出されています。
ベーシックでアコースティックなワイン、少し前の流行り言葉で言えば、Unplugged Winemakingとでも言いましょうか?
先人達のソフトとハードに基づくワイン造りに、モダンワインメーキングの醸造学に基づくノウハウがハイブリッドされればワインはもっともっと楽しくなることを示唆できた一本でした。
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