高崎ワインアカデミー第5回セミナーご報告
2020年12月14日
仲沢酒店様による、高崎ワインアカデミー 主催のワインセミナー、~ワイン醸造におけるハードとツール(容器、撹拌、ポンプなど)『温故知新』;ドメーヌと装置産業、様々なワイン醸造装置・設備の裏話 と題した内容でお話させていただきました。
“良いワインは良いブドウから” のように、ワインは原料の品質がダイレクトに映し出されます。 これに “良い造り手” そして “良い醸造のハードとツール” による三位一体で本当に美味しいワインができます。
今回のセミナーでは、これらハードとツールを掘下げる内容でした。
まず、『ワイン造りの今昔物語』について、これは正に規模の違いです。
現在は効率を優先し、大きなロットのブドウをサクサクと醸造しますが、昔は、小さなロットでコツコツと行っていました。
また今は、ワインをどこでも、誰でも飲めますが、昔は、ワイン産地の近くに住む人や、王侯貴族のような限られた人だけが、ワインが新鮮な限定期間にだけ飲めたのです。
「その時代を超えて今へ大きく進化を促したのは何か?」
今回のセミナーでは、その進化に大きく影響したエポックメーキングを歴史上の出来事から抜きだし、それがもたらしたワイン醸造のハードとツールの進化に焦点をあてて、その進化が変えたワインの品質とスタイルで説明を展開させました。
もっとも、セミナーの資料をつくりながら、歴史の旅人となりエキサイティングな気分のままで、そのワイン醸造の歴史の延長線に立っている自分に酔いしれていたのは自分ですが・・・
人類がワインを醸造し始めた紀元前6千年から、幾つかの歴史上のエポックメーキングがもたらしたワイン醸造における、「木樽容器」、「二酸化硫黄」などは “5つの革命”と私は造り手の目線から見ることができます。
そしてそれらの定着を促した、“ベルサイユのばら”で知られる「フランス革命」や、19世紀にヨーロッパのブドウ畑の殆どを滅ぼした害虫によるフィロキセラ(ブドウネアブラムシ)禍などは、先に述べた “5つの革命” などとともに、ワイン造りの歴史をその時代で大きく変えて現代に到ると言えます。
こうしてみると、何千年という長いワインの歴史のなかで、現代の私たちが飲んでいるワインの品質やスタイルは、第二次大戦後の1950年代以降に確立したという、僅か数十年前に製法が確立した “新しいお酒” とも捉えることもできるので、こうした側面からワインの世界を垣間見るのも非常に興味深いものです。
人類は歴史上の大きな出来事で、革命、戦争、伝染病や、先に述べたブドウの害虫が災いした “フィロキセラ禍” などの数々の障壁を乗り越え、その変化の中で柔軟に対応してきました。
そのフィロキセラ禍を生き抜いた先人たちと、今のコロナ禍を生き抜く自分達を対比し、色々と考えさせられた一晩でもありました。
素晴らしい時間をシェアしてくださった参加者の皆さま、仲沢酒店 様、改めて深くお礼申しあげます。
次回のセミナーは、2月になりそうです。ご興味のある方はぜひ仲沢酒店様にお問い合わせ頂ければ嬉しく思います。
#ワイン #ワインメイキング #ワイン好きな人とつながりたい #ワイン女子 #エノログ川邉 #高崎ワインアカデミー
0コメント