高崎ワインアカデミー第8回セミナーご報告

2021年7月26日 

仲沢酒店様の高崎ワインアカデミー 主催のワインセミナーでお話させて頂きました。

タイトル:~ワイン醸造とテイスティング:ブラインドテイスティングと科学 白ワイン、スパークリングワイン 編 ~


ブラインドテイスティングとは、銘柄を意図的に隠したワインをグラスに注いでテイスティングするものです。


あえて銘柄を隠すことでテイスティングする人の先入観を除くことができ、グラスに注がれたワインの品質を純粋に解析することが目的です。


そのため、どのワインが最も嗜好性が高いかを調べたりする品質の比較や、どのワインが群を抜いて品質が高いかを判定する品評会では、一般的にブラインドテイスティングが用いられます。


今回のセミナーは、このブラインドテイスティングでワインをテイスティングした場合に、そのワインの産地、品種、製法を解析するヒントとコツをワイン醸造の科学から分かりやすくお話させていただきました。


多くのワイン愛好家の方々は、ワイン会など仲間内でワインを楽しむ場合に、ワインのラベルを見せないよう工夫を凝らしワインをサーブし、その産地、品種、銘柄などを当てっこするブラインドテイスティングを行ったりします。


また、様々なワインの資格試験でも実技試験においてブラインドテイスティングで品種を当てる設問も珍しくありません。


実は、こうしたブラインドテイスティングは、単純に自分の記憶の引き出しにあるワインを呼び起こす「当てものゲーム」ではなく、ワイン醸造における科学をヒントに取捨選択することで、産地、品種、製法を示唆できる「絞り込みゲーム」だと捉えれば、決して難しいものではありません。


ブラインドテイスティングでは、ワインの外観、香り、味わいによりワインの素性を解析します。じつは、その中に、外観、香り、味わいと産地、品種、製法などとの関係が一般論として法則化されています。


セミナーではイラストも交えながら、こうした点を細かく解析し、代表的な白ワイン品種を想定しながら説明させていただきました。


また、産地において世界のワインでは、古くからワインを造るヨーロッパの旧世界と、アメリカやオセアニアなどの新世界に大きく分けることができます。


かつて、私自身がワイン醸造を行っていたナパヴァレーなどは、新世界に属していますが、この新旧二つのワイン産地は、俯瞰的にみると大きく二極化分離を行うことができることから、その理由と傾向を皆さんと共有いたしました。


加えて、製造技法の特性に関しては、私が醸造家といういわばワインを料理する立場に立って、ワイン造りを原料から製品まで大まかな工程に分けて、どこで風味をコントロールできるかというオプションから、料理を味わって、その料理方法を解析する観点からワインの背景にある製法を引き出す方法をシェアさせていただきました。


今回のお話は、ワイン造りの経験から得た実践と合せ、過去にマスター・オブ・ワインの講習会などで勉強した内容を含めたオリジナルのものです。


ブラインドテイスティングは、決して難しい“ゲーム”ではありません。

ワイン造りの常識からアプローチすることで、確実に答えが引き出せます。


また、この技法を覚えておけば、それがブラインドテイスティングでない普通のワインを嗜むときでも、グラスの中のワインが被った秘密を解くことで、その本質が見えてくるはずです。


次回の高崎ワインアカデミー様の講座では、この内容で赤ワインとロゼワインを中心にお話いたします。赤い液体の向こう側に見える産地、品種、製法などを解析する方法を知ることにより、よりワインのことを知ることができるセミナーです。


今回の素晴らしい時間をシェアしてくださった参加者の皆さま、仲沢酒店 様、改めて深くお礼申しあげます。


次回のセミナーは、9月頃になりそうです。ご興味のある方はぜひ仲沢酒店様にお問い合わせ頂ければ嬉しく思います。


連絡は、仲沢酒店様までお願い致します。



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エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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