「ワインの欠陥臭と回避に向けた具体策」および「高畠ワイナリー テイスティング講座」
2018年1月27日
この世にもしも、Œnological Evangelist(エノロジカル エヴァンジェリスト:ワイン醸造学の伝道者)なる肩書があったら今回のような活動であろうか…?
( ※ エヴァンジェリスト:難解技術を分かりやすく伝道する人 )
「塩尻市えんぱーく」にて、「塩尻ワイン大学」でデザインされている授業の一環として「ワインの欠陥臭と回避に向けた具体策」および「高畠ワイナリー テイスティング講座」と銘打った講義を担当させていただきました。
今回の講義は、塩尻市の主催する4年間のプログラムの最終年度の集大成的なもので、より重い責任とそれなりのプレッシャーを感じたため、ワインづくりの品質構築において「欠陥臭」を単純に認識できる官能能力だけでなく、その養われた官能能力で欠陥が感知できたなら、その時点でワインの品質でゲームオーバーとなり経済的な損失を被るという認識のもと、その前の時点においてワイン醸造学的な具体策やPDPC、HACCP、PDCAに基づく技法で、欠陥臭の発生要因のトドメを刺し回避する方法を紹介いたしました。
今回は原料ブドウ、汚染微生物、酸化・劣化、フェノレ、、その他に起因する欠陥臭と項目を分け、海外の文検等で紹介されているものに小職が30年間のワイン造りで実際に体験した事象をチョイ足しし、それを様々な例え話を盛り込んで比喩することで、難解に感じるワイン醸造学をなるべく解り易く紹介できるようコース設計しました。
内容を細かく書き出すと長くなるので割愛しますが、品質の高いワイン造りで高い評価を得て「寝てても売れるワイン」を造るには正しい知識の下で「寝ないでワインを造る」しか選択肢が残されていないのがワイン製造業界の常で、規模の大小、歴史の深浅では同じコンディションです。
流石に厳しい審査を通り学生となられた、自身のワイナリーを新設されることを目指しておられる方々の受講姿勢は目を見張るものがあり、欠陥臭サンプルによる体感講座、弊社のワインのテイスティング講座における醸造学的技法や商品開発の背景などの解説でも活発な質疑応答が行われ講師冥利に尽きました!
この冬一番の寒さで雪深い高畠町の高い湿度の寒さとは異なるキーンと感じる高音な寒さでしたが、これから新しいワイン生産者を目指す学生の心に秘めた思いは熱く、それゆえに今後とも恒常的な「学べるプログラム」は必須で改めて、キャンパスレスな大学の意義は新しい日本ワインの世界に一石を投じるものと痛感いたしました。
ワイン醸造学は決して難しいものではなく、ステップを踏んでいけば確実に理解でき、その知識は着実にワインの品質に映しだされる筈です。
皆さん、まだまだエノロジー(ワイン醸造学)は面白くなりますょ~!
塩尻ワイン大学学生および関係者の皆さま、今回は素晴らしい場をくださり改めて深くお礼申しあげます。
#塩尻ワイン大学 #ワイン醸造学
0コメント