Japan Wine Challenge 2018

2018.8.2
一般審査、本日のトロフィー審査にAccredited Judge(認定審査員)として参加いたしました。
昨年は一般審査は2日間行いましたが、今年は急な仕事が入ったため、1日だけとしましたが、この猛暑で昨年の2日以上に体力を消耗しました。
もちろん、審査のテイスティングでは風味の欠陥(オフフレーバー)を感知し見つけ次第に「浜田、アウト!」と、大晦日のガキの使いみたいに排除しますが、私はこの手の短時間に多くの審査をする際は、BILCTSEという一貫基準を用いて、
Balance(風味のバランス)
Intensity(風味の強さ) 
Length(風味の長さ)
Complexity(風味の融合性)、
Texture(風味の質感)
Structure(風味の骨格)
Expressiveness(ワインの表現力、品種やスタイル等の ”らしさ” )
をもとに、最初のBILCTS 6項目に各3点(0、1、2、3)、
最後のE 1項目に3点(0、1、2)の、計20点満点で評価します。
もちろん、他の素晴らしい20点法や100点法などもありますが、集中する審査では時間に限りがあることと、後でワインの評価を振り返る時に特徴を回顧しやすく、審査討論で金・銀・銅・アウトに割り振る時の大切な説明材料になるので、私はこのメモをつけます。
(*勿論、欠陥のあるワインは即座にアウトですが…)

審査会では、ワインに携わる異業種(技術者、流通販売、評論家 等々)が集まり、その審査チームで精度の高い審査が求められます。 そこで、金・銀・銅・アウトのギャップが何か?、審査対象のワインをどのようにして甲乙付けたか? を明確に説明するという、言わば非常に胆力の要求される場が設けられるので、単純な点数付けのテイスティングでなく格付けの段階では、毅然とした意見を基にした議論がなされるのが有るべき姿です。

今回は、こう言った技量を高めるために、トロフィー審査が終了した後に、MWのリン・シェリフ女史、WSET教育担当のクリス・マーチン氏、田中克幸氏などが中心に、我々審査員と共に、30分間に13種類のワインを審査、コメントして、その後に、各審査員に指定したワインのコメントを発表させ、意識の共有化と審査精度の向上化、さらにはコメント表現のアドバイスを行う、言わば ”審査員を審査する” という、貴重な試みが初めて行われました。
コメントにおいては、単純に評価と賞の格付けをする以外に、突出した良いところは何か? 何が足らないか? などと短い審査時間の中で求められるのは、結構辛いものですが、こういう訓練は改めて必要だと痛感しました。
初回で時間に限りはあったものの、こういった場を設けてくださった関係者の皆さま、改めて感謝いたします。
m(_ _)m
日頃から、ワイナリーで韋駄天テイスターの松田チーフに急かされるからか、私はお陰様で25分程度で終わらすことができ、コメントもそこそこOKでしたが、ワインの勉強に終わりは無いもんだとしみじみ思った真夏の午後でしたね!
審査会には、それなりのワインが出品されますので、ワインの質は決して低くありませんが、その中からスグレモノを引き出すには、総合的な洞察力が求められ、テイスティングという利き酒は、そのためのセンサーの一つだと捉えられます。
今後とも精進を積んでテイスティングの技術を磨くとともに、風味を単なる強弱を基にした定量だけでなく、定性として評価できる表現力の向上にも努め、それを掴んだうえで、製造に就く立場からワインの審査に臨むことが、私らエノログどしての役目だと認識しています。
一般的に日本では「物言うと叩かれる!」ので、当たらず触らず…で平均点を付けておけば安心安全!だという傾向がありますが、審査会では「物言わぬは腹ふくるるわざなり!」と捉え、的確なコメントを紳士的かつ毅然として表現することが求められるんだということ
("^ω^)・・・
改めて、こんな大雑把な性格に産んでくれた両親と、アメリカ生活で更に太々しくしてくださった会社に感謝です!
(๑・̑◡・̑๑)
Œnologue 
Hisa VINHIFI KAWABE

エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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