シルバラードヒルセラーズ 2000 カベルネソービニヨン part5

今日も続きを書かせて頂きます。



現在のナパヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンは、ブドウ1キロあたりの平均取引価格が$8.72と約$9.00なので、それから造られるワインを試算すると最低でも$90.00です。


一方、前出の収穫レポートでは、2018収穫年ではカベルネ・ソーヴィニヨンでは1キロあたり$15.00前後のものが少なくありません。


このことから、ナパヴァレー産のカベルネ・
ソーヴィニヨンでボトルあたり$150.00~$200.00という銘柄が目立つというのも、この実態から
みると頷けます。
 
私が米国を離れた2002年のブドウの
実質取引価格は、1トンあたり
$ 4,020.32でした。


このことから葡萄の取引価格は、
2018年までの約15年間で約2倍近くに
まで値上がりしていると言えます。


如何に彼の地のワイン業界が高いビジネスマグニチュードで成長し、いかにナパヴァレーという生産地の価値が上がっているかが伺えます。


これは、現在の日本ワインブームでも起こらないことでしょう。


当然のことながら、当時は一本50ドル程度で買えたカベルネ・ソービニヨンが今では手が届きにくくなりましたけど、こうした成長があるからこそ業界の勢いが強く感じられます。
 
ナパヴァレー カベルネ、その宝石を思わせる魅力とは、その高値の取引価格だけではありません。


もっともこの取引価格もブドウの品質が最高であるが故に最高になるので、取引価格に見合った最高の品質こそが宝石を思わせる魅力と言えるのでしょう。
赤ワイン原料の王様とも言えるカベルネ・ソーヴィニヨンは非常に骨格のあるタンニンを誇り長期熟成に向いており、男性的な品質のフルボディの赤ワインになります。



然しながら、その原料ブドウは非常に
繊細で育つ場所を選ぶ気まぐれさんです。


カベルネ・ソービニヨンの命とも言える しっかりした骨格を支えるタンニンと 酸は、昼夜の寒暖差が
大きい栽培地でブドウの中に潤沢に蓄えられます。


今日は、ここまでです
お読み頂きありがとうございました。

エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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