バルベーラ ダスティ スペリオーレ パッスム 2016

バルベーラ ダスティ スペリオーレ パッスム 2016 カシーナ カストレット


なんともパワフルなワインです。


私が審査員をさせて頂いているワインコンクールで外国人の審査員の言葉を借りるなら
「Blockbusterなワイン!」とでも言いましょうか、まさしく街の一区画(One Block)を吹き飛ばすくらいの力強く美味しいワインです。


アルコールは15.5%ありますので、0.55%容量アルコール/1%ブドウ糖度の換算で計算すると収穫したときのブドウの糖度は大凡28%!と非常に糖度の高いジャムのようなブドウだと想像できます。


濃厚なブドウの果実の風味を「JAMMY ジャムのよう」とは的を得ており、27~28%の糖度のブドウには、ナパ・ヴァレーでワインを造っていたころ二~三回お目にかかったことがあります。


笑ってしまいますが、ワイナリーで破砕後にポンプとホースを使って発酵槽におくるのですが、高い糖度で粘りが強くホースの中で停まってしまいます。仕方がないので、バットのような丸太棒でホースをコンコンと叩いて粘りをほぐしてポンプで送る。また、糖度が高いと酵母が育ちにくく発酵が始まりにくいのです。ジャムが腐敗しない原理と同じで、雑菌すら生えにくいので、クリーンなワインに仕上がる傾向が強いようです。


そんな忘れかけた記憶を蘇らせてくれるワインだから、やはり「Blockbusterなワイン!」です!それでいて新鮮かつ凝縮したブラックベリー、カシス、ブルーベリーやマルベリーの黒い果実を支えるしっかりとした酒石酸が感じられるので、これは健全にブドウ樹のうえで長いハンギング期間(ブドウの房がぶら下がっている期間)を以て、太陽の下、キレイに水分が抜けて、樹に下がった状態でブドウの糖も酸も濃縮したものと想像がつきます。


イタリア北部のアスティのバルベーラ、とても重厚で果実が盛りだくさんで素晴らしい。
偶然にも、最近、とあるワイナリーでこのバルベーラというブドウの仕込み指導しました。
糖度も上昇して美味しかったのですが、非常に酸が高い興味深いブドウでした。


昨今の世界では地球温暖化でブドウの酸が低下してしまい、困っている生産地は少なくありません。勿論、日本の産地も同様です。そんななか、このイタリア北部で栽培されるバルベーラは有力な候補かもしれません。


1994年にイタリアのピエモンテ州を訪問し、幾つかの生産者でこの品種を試飲し、その長所を伺いましたが、本当にポテンシャルのある品種だと信じてやみません。


それにしても、このワイン、中身のワインだけでなく外装も美しく素晴らしいです。
プリントされた壜、全てのインフォメーションが集約されたキャップシール、そしてそれらが全て前面に合わせオリエンテッドされている仕上げにキャップシールの背後のDOCG認証シール。


非常に尊敬に値できる仕上がりでお洒落なイタリアの造り手の心そのものですね!


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エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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