オレンジワイン Part1


オレンジワインとは、白ブドウ品種を果汁だけでなく、皮、果肉、種を全て発酵槽で発酵させて造るワインを指します。本来、白ブドウは白ワインを造る際、その果汁のみを発酵槽で発酵させて造りますが、赤ワインのように醸造するもので、代表的なものは世界で最も古いワインとされるグルジアのオレンジワインが有名です。


ワイン造りのはじまりは赤ワインという説が有力です。


ブドウはもともと、その種子を鳥に運んでもらって種を残すという仕組から、鳥が見つけやすい皮の赤いブドウがはじまりで、白ブドウは後に突然異変でうまれたブドウであることや、ブドウを圧搾する機械が発明される遥か昔には、赤ブドウを潰した全てを発酵槽で発酵させるのが当り前だったことなどです。そのため、白ブドウが使われるようになっても、赤ブドウと同じような方法でワインを造っていました。


温故知新の流れとともに、赤ワインやロゼワインの広まりとともに、我々がワインを楽しむ味覚も多様化が富み、白ブドウを赤ワインのように醸造したオレンジワインが市場で散見されるようになりました。


これは、赤ワインの渋味や苦味に慣れた我々が、それを美味しいと感じて、シンプルな味の白ワインだけでなく、ロゼワインなど中間系のワインにも親しんできたという味覚の進化によるものでしょう。


それを受けて、このオレンジワインの発祥ともされる、グルジアでの伝統的なクヴェヴリという土甕を発酵槽に用いた醸造法が、2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されて以降、オレンジワインの人気は急上昇し、ワインのカテゴリーでしっかりとした市民権を得るようになりました。


こうしたなか、昨年末にOIV(International Organisation of Vine and Wine;国際ブドウ・ワイン機構)が、正式にオレンジワインの定義を設けました。


その主立ったものは、「白ブドウを果皮や種子など、本来は“搾り粕”と呼ばれる部分と1ヶ月以上を発酵槽で果汁とコンタクトさせて発酵したオレンジ色~琥珀色を呈したワイン」ということが4つの項目に分けられて定義されたものでした。


単なる温故知新でなく、国際的に新しいワインのスタイルに風穴が開いた瞬間だった出来事でした!


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エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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