乳酸菌とブランディング


先日、船橋屋のくず餅乳酸菌がつくった飲料を飲ませていただきました。味は甘酒と飲むヨーグルトが合わさったようで親しみを感じました。調べてみると、くず餅をつくる際に小麦デンプンを450日も発酵する乳酸菌よりつくられた健康食品でした。


まず乳酸菌というのは、菌の名前ではなく総称、いわゆるカテゴリーの呼び名で、その発酵する力で100%の糖類から50%以上の乳酸をつくる菌を表します。そして、そこには何と430種類以上の菌が数えられ、ヨーグルトをつくる菌、漬物をつくる菌、ワインをつくる菌など、異なる乳酸菌がいる訳です。


さて、前出のくず餅乳酸菌ですが、その菌名はラクトバチルス属パラカゼイ種という菌です。これは、かつてはラクトバチルス属カゼイ種と呼ばれた菌で、乳酸菌の名前を決める学会で名前が刷新されました。


実は、この乳酸菌は我々にとって非常に馴染みのある乳酸菌です。それは、このラクトバチルス属カゼイ種の一つ、シロタ株を発見した代田稔博士が、その菌でつくったのが有名な乳酸菌飲料「ヤクルト」だからです。


乳酸菌の名前の“カゼイ”とは、ラテン語でチーズを意味し、牛乳に由来します。しかし、この乳酸菌の元々の発生源は干し草に生育する植物性乳酸菌なのです。


植物性乳酸菌は、昼夜や夏冬の寒暖差など広い生存温度帯で、また四つもある牛の胃の酸でも死なない強い生命力です。このため、我々の体内でも腸内まで、しっかり生き続けます。くず餅の原料も植物の小麦なので、麦わらなどを発生源とする同じ仲間の強い乳酸菌が生きているとすれば充分に納得できます。


江戸時代からの歴史をもつ発酵食品のくず餅、また昭和の初めからのヤクルトは、偶然にも同じ乳酸菌に端を発するのも偶然でしょう。


その乳酸菌は自然界を生き抜く強い生命力をもち、我々の体内で整腸効果はもちろんのこと、アトピー、花粉症にも効果を示し、さらには免疫力を高めることも細菌の研究では解ってきています。


人々の健康という永遠のテーマに美味しさを加え、世に送り出してきた、くず餅の老舗 船橋屋、ヤクルトは乳酸菌による発酵を軸足とし、常に新しい発見とともに進化してきたのでしょう。


くず餅の創業者、乳酸菌シロタ株を発見した代田博士の意思を受け継いだ世代が、先代を超えるべく常に進化して強いブランドに育つ姿こそ、干し草に由来し、牛の体内、チーズなど乳製品、さらに人の体内でも生き続けるラクトバチルス属パラカゼイ属の乳酸菌のバイタリティーを引継ぐ強さなのかも知れません。


ちなみに、一緒に頂いたくず持ち乳酸菌入りプレミアムあんみつも美味しく頂きました!


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エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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