高崎ワインアカデミー ワインセミナーVol.7ご報告


ワイン醸造とテイスティング 特性と欠陥(オフ・フレーバー)の科学 等

4月26日 高崎ワインアカデミー 様主催のワインセミナーにて ワイン醸造とテイスティング 特性と欠陥(オフ・フレーバー)の科学をお話しました。

ワインの風味は香りと味わいでできています。そしてその風味には特性と呼ばれる、原料ブドウが栽培された産地やワインが造られた醸造場特有のユニークなキャラクター、ブドウ品種、栽培法、ワイン醸造法などワインを形取る様々な履歴が映し出されています。

一方で、全てのワインではありませんが、一部のワインでは欠陥という、ワイン造りの過程で起きた歓迎されない事象、例えば天候不良によるブドウ栽培への影響や微生物のはたらきによりワイン醸造に悪影響を及ぼした履歴が映し出されたものも存在します。

今回のセミナーでは、その特性と欠陥の科学的な背景を、発生の裏側や風味の成分とそれを感じることができる閾値と呼ばれる最低量の話しなどをベースに特性と欠陥の違いを区別しました。


多くのワイン消費者の中には、ワインの風味で悪いものとされる欠陥をワインの特性の一部として受入れなくてはならないものと思っている方も居られるようですが、それは全くの間違いで、欠陥はワインの悪い風味として拒否すべきものなのです。

そして、セミナーの後半は、ワインの欠陥は単にワインの風味の悪い要素だけでなく、その生産者の力量や知識の深さをはかる成績表であることを説明し、欠陥を野放しにしておくことで発展するリスク、また未曾有の事故への影響を説明しました。

また、今後はワイン生産者を訪問した際に注意深く観察すべきところや、ワインの製品と手に取ったときにチェックするポイントなどを共有し、優れた生産者を見切る評価のコツをお話しました。

2021年6月よりHACCPが義務化となり、食品製造や流通、また提供する業種は導入が必須となります。そうした中で、作業場の衛生管理や製造の管理を徹底することは、食品を扱う者の基本姿勢となることは言うまでもありません。

今回は、日ごろ時折トピックとなるワインの特性と欠陥を説明するとともに、その欠陥が生産者の管理能力を示すサインなることまで踏まえたセミナーでした。


質疑応答では、様々な欠陥に伴う質問とともに、その発生源やリスクを改めて説明するとともに、正しい評価能力を再認識できた凝縮された内容の時間となりました。


この場をお借りして、ご参加頂きました皆様、及び仲沢酒店・高崎ワインアカデミー様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。


次回は、白ワインとスパークリングワインのテイスティングに関する科学を紐解き、簡単なブラインドテイスティングの捉え方とともに、それぞれの好みを見つけ出す楽しいセミナーにしたいと思います。


ご興味のある方は、是非、高崎の仲沢酒店様のHPをチェックしてみてください。


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エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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