東広島の酒類総合研究所

東広島の種類総合研究所にて講師を務めさせて頂きます。
先月の2月22日(木)より東広島の酒類総合研究所にて、第111回(平成29年度)酒類醸造セミナー(ワインコース)が行われています。
このセミナーは、3月9日(金)まで16日間(2日の週末休日含む)ぶっ通しで行われ、受講者はワイン製造関係の比較的初心者の方々を対象として、隔年開催される教育プログラムです。
また一部では、酒類総合研究所の略称である ”酒類総研” を文字って ”書類送検” とも呼ぶ人もいるように…?
新設のワイン生産者が所轄税務署によって ”再教育命令” とともに、問答無用の半強制的に ”送検” されるケースもある(私の専門学校の教え子はそうでした!)、大変厳しい「虎の穴」プログラムであることは明白で、ワイン醸造、ブドウ栽培はもちろん、分析実習、酒税実務、ワイナリー経営論、ワイン醸造機器など非常に多岐に渡るマルチなセミナーによって構成されており、なぜか縁あって私は2012年より「ワイン醸造の理論と実際」という科目を担当しています。
もちろん、このセミナーには官能検査実習も細かく段階的に組み込まれており日を分けて特訓され、以下がそのプログラム(セミナー開講時系列順)なのですが、ご覧のように実習1から6まで異なるテーマで構成されており、先ず最初に「基本味とオフフレーバー」というように「健全と欠陥」を認識できるように配慮されています。
 ・官能検査実習1(基本味とオフフレーバー)
 ・官能検査実習2(特徴香など)
 ・官能検査実習3(白ワイン)
 ・官能検査実習4(赤ワイン)
 ・官能検査実習5(ロゼ・甘味果実酒等)
 ・官能検査実習6(日本ワイン)
つまり、そのうえで「品種特性、醸造技法、産地による特徴香など」、「白ワイン」、「赤ワイン」…と続き段階的に利き酒能力を高めるようにデザインされていますが、これは米国のUC Davisなどの官能検査実習でも同様で、初級クラスは必ず健全と欠陥の差、酸味・甘味・アルコール・苦味など官能要素の訓練、中級クラスは品種特性など、上級クラスで醸造技法や産地による特徴を含めた多岐に渡る官能検査実習というふうに構成されていました。
今後、ワインに関するスクーリングプログラムも含め、高畠ワイナリーは発信していきますが、この官能検査実習の構成は大変参考になります。
官能検査実習6に「日本ワイン」とありますが、これは日本ワインは世界基準のワインのなかで、甲州、マスカット・ベーリーA、生食用品種など特殊なブドウ品種を原料とするため、敢えて別枠組にしてあると願っています。

エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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