ロゼワインは難しい?PART 5



さて、いよいよロゼワインシリーズの
最終回となりました。
宜しければ最後までお付き合いください。


ワイン醸造において植物繊維が豊富で
搾りにくいブドウから果汁を搾る設備が
発明されたのは、ワインの歴史では

新しく16世紀以降です。


現在のように白ブドウの果汁だけを発酵して

ワインが造られたのは最近の為一般的に旧世界の
ワイン産地と呼ぶ、ヨーロッパ各国ではシンプルな工程で簡単に醸造できる赤ワインが多く造られてきました。


加えて赤ワインは、ブドウの果皮と種子から抽出されるポリフェノールを豊富に含む為、ワインを酸素による酸化から守る酸化防止剤として働く事で酸化に強く白ワインに比べて熟成に適しています。


現在、ワイン醸造において酸化防止剤として一般的である二酸化イオウの添加が採用されます。


この二酸化イオウは古代ローマ時代より容器の殺菌などに使用されてきましたが、ワインを酸素から守る酸化防止剤として添加し熟成中に品質を維持させる目的で使用されたのは近代になってからのようです。


こうした理由も、世界的にワインは赤ワインが主役であるという流れを生んだのでしょう。  


先に述べたロゼワインの製法は現在でも日々刻々と進化しています。


黒ブドウの果皮色素を優しく抽出するため、ブドウを加温する技法、色素の抽出を促進する酵素を使用するなど、多くの技法が生まれ新しいスタイルのロゼワインが生まれています。


雨が多く、日照時間の短い日本の自然環境は、時には、黒ブドウの栽培において意地悪な要因となる場合があり、黒ブドウの色素を深めない事も起きます。こうした環境の中で、多くの製造技法を選択できるロゼワインというのは、ある意味、日本には向いて居るのではないでしょうか?


特に、様々な技法を考案して綺麗な桃色の果実の風味に溢れた食事のシーンを彩るロゼワインの進化こそが、新しい日本のワインの未来像の一つかも知れません。 


今回、長くに渡り読んで読んでいただいたロゼワイン飲みたくなる豆ネタを最後に付け加えましょう!


「満月の夜にロゼワインを満たしたグラスに月を映して飲むと、恋愛の願いが成就する」


というフルムーン(満月)のLOVE ROSE WINEというのがヨーロッパには古くからあります。夜空を照らす満月は、誰にでも公平に月一度は到来します。


まず、次回の満月をきっかけに
“決して難しくない”ロゼワインの美味しさに
触れられては如何でしょうか?


最後までお付き合い頂き

ありがとうございました。

#ロゼワイン #満月 #日本ワイン

エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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