Silverado Hill Cellars 2000 Napa Valley Chardonnay Part4


2000年にナパ・ヴァレーで造ったシャルドネについて
Part4最終回を書かせてていただきます。


ワインの世界に限らず、レスアディティブ(添加物の減少)、
レスプロセス(工程の減少)がプレミアム品目のなかで
トレンドとなるのは古今東西で同じです。


カリフォルニアの90年代からミレニウムにかけては、
とにかく「UN:やらない」の連続でした。


「UNFILTERED 無ろ過」
「UNFINED ファイニング(清澄化)なし」
などなど、酸化防止剤である二酸化イオウを使用しないワインが有機ワインとして販売されたのもこの頃です。


我々ワイン醸造家は冗談交じりで「UNFERMENTED 無発酵」
とラベルしてシャルドネブドウ果汁を販売したら売れるのでは?
と言っていたくらい「UN」が市場の中心にいました。


私は、いかなる添加物や工程にも意味があるから存在すると考えていますので、もし何らかの添加物や工程を排除するなら、それから生ずる危害を予め分析し、対策を講じたうえで削除を決断すべきと思います。


今回の2000年のシャルドネではワインが熟成期間を経た時に品質が崩れることが危害であり、その対策として、最低限の商業的無ろ過として粗いろ過を施していました。


この結果は、20年ほど費やして漸く答えが証明できたものの一つでした。


当時、ナパヴァレーで周囲の

米国人スタッフから


「HisaはExperimentalな性格だから!」


と何度となく笑われた事を想いだします。


「自分の目で確かめないと信じない面倒くさい奴!」


という意味で、自分の要領の悪さは昔からだと思います。


だからこそ、愚直にワインと向き合っていく事だけが自らに力をくれる事だと2000年のシャルドネを飲みながら思いました。


最後までお読み頂き

ありがとうございました。

#ナパバレー #カリフォルニアワイン #シャルドネ

エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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