ワインのノーベル賞 クロスフロー沪過 part 1



「吉野彰氏ノーベル賞 
  旭化成、多角化経営の果実」
と日本経済新聞の見出しに輝いています


この記事を読んで心に残ったのが
吉野彰名誉フェローの受賞コメントです


「私が電池メーカーの研究者だったら
 リチウムイオン電池は開発できなかった。   
 最適な材料を見つけることが重要だった」
というところででした


そう、吉野先生は電池屋さんでなく
電池になるべき素材を開発したのです
 
1922年にアンモニアの製造から始まった
旭化成を有名にしたのが「ポリ塩化ビニリデン」という酸素を通しにくい柔らかな素材で、今では無くてはならない「サランラップ」と言えば子供でも知っている物です


旭化成は、その他には燃えにくいコンクリートのヘーベルハウス、更には集積回路の素材など一貫して事業の中核を材料で社会に貢献してきた企業です


電気自動車は勿論のこと携帯電話やPCなど何度も充電できる世界のリチウムイオン電池の根幹を握っていたのは、電池メーカーでない日本の素材メーカーでした
 
今回は、そんな旭化成がもう一つ驚くべき姿で世界のワインに貢献していることを書きますので
是非、お付き合いください
 
ブドウを原料とするお酒のワインは、
ブドウのもつ糖分を酵母という微生物の
働きでアルコールと二酸化炭素に
変換させます


この変換を「発酵」と呼びますが、
いわゆる微生物という生き物が人間の
思い通りに仕事をしてくれることを勝手に
「発酵」と呼んでいます


人間とは本当に勝手で、この生き物が
思い通りに働かず、願っていない反応が
起きたときは、その表現を「腐敗」とか
「変敗」などと変えます


いずれにせよ、うまく「発酵」してブドウが
ワインになると、それまで発酵している時に
濁っていたワインはゆっくりと澄んでいき
グラスに注ぐと向こう側がキレイに
透けて見えます


しかしながら、このワインの中には
不純物が沢山含まれているので、
ろ過というプロセスによりワイン中に
存在する固形分を除いてワインの品質を
安定化させてから壜に詰めて栓をします
 
勿論、それだけでは不十分です 


ワインの中に酵母や他の微生物の残りが
生存していると、僅かな糖分や他の物質を
分解して壜詰め後に壜の中で「腐敗」や「変敗」をおこす原因だとなるので何かしら対策が
必要になり、その代表的な対策を考えたのが
フランスのパスツール先生です


その対策のプロセスに自らの名前まで付けた
研究者である彼は、ワインなどに残った
酵母などの微生物による品質異常を防ぐ為に
壜詰め後にワインを加熱して熱殺菌する
「パスツリゼーション」を発明しました

これにより、牛乳や醤油などの食品は微生物による腐敗をパッケージ後に防ぐことができるようになりました 


今日は、ここまでです
この続きは、又明日以降に書いていきます!

#旭化成名誉フェロー #ノーベル賞 #クロスフロー濾過 #パスツール #パスツリゼーション #微生物 #ワイン

エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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