ワインのノーベル賞 クロスフロー沪過 part 2



さて、今日も引き続きクロスフロー濾過に
関して書いていきます


昨日、パスツリゼーションのおかげで
殺菌処理が出来ると書きました


然しながら、熱殺菌は60℃以上の熱を
数分間ワインにかけないと目的の微生物を
殺菌することができません


その為、その殺菌処理を行うとワイン本来
のフルーティーな風味を損ねてしまう
というジレンマが付きものでした


本来、発酵を完全に終了したワインは
ブドウの糖分を酵母が完全に分解するので、
無理矢理に熱殺菌をしなくても壜詰めして
から品質を損ねることはありません


しかし、少し甘味を残したワインなどに
する場合は、熱殺菌をしないと壜の中で
酵母が生き返って発酵がはじまります


そして、二酸化炭素が発生して最悪の
場合は壜が爆発するなどの事故が
起きかねません


それゆえに、古いワインの教科書では
甘味を残したワインの製造方法では熱殺菌:
パスツリゼーションの工程は必須でした
 
そして、1960年代から、世界中で酵母や
他の小さな微生物を100%除去できる
ろ過が発明されました


ろ過とはフィルターとも呼ばれ、
原理としてはコーヒーのドリップと同じで
固形分を漉すようにして除去するのです


コーヒーで曳いた豆を除くのと同じように
ワインから微生物を含む固形分を除いて
ワインを清澄化させます


このとき、ほぼ全てのろ過がコーヒーの
ドリップの様にろ過面(ろ紙など)に
対して垂直に通過します


皆さんも小学校のころ理科の実験で行った
ろ紙を利用したろ過の原理ですね


しかし、このろ過には、ある一定量の
液体をろ過するとろ紙が目詰まりを起こす
弱点があります


ろ過を行うと澄んだ微生物を含まない安定
したワインの確保が可能にはなりますが
ろ紙は余分な固形分と一緒にワインの
美味しい味の成分も剥ぎ取るので風味が
薄くなるというジレンマがあります


そんな中、1980年代に夢の様なろ過装置が
生まれました


今日は、ここまでです
この続きは、又明日以降に書いていきます!

#ワイン醸造 #パスツリゼーション #ろ過 #ワイン #旭化成名誉フェロー #旭化成 

エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

0コメント

  • 1000 / 1000