シルバラードヒルセラーズ 2000 カベルネソービニヨン part1



ワイン造り 原点から今


ワイン醸造家はブドウを仕込み、
ワインを育てる職種だと言われています。


しかし、私は、
「ブドウやワインがワイン醸造家を
   育てる」と思っています。
 
私が、ワイン醸造に携わり30年余りの
期間で扱ったワイン原料は、白ワイン用では10,000トン前後、赤ワイン用では、その半分より少し上だと思います。


1988年に就職し、ナパヴァレーのワイナリーで仕事に就けたものの、私の勤めるSilverado Hill Cellarsは白ワインオンリーの醸造場でした。


今から思えば信じられない事ですが、1990年代初頭におきた赤ワインブーム以前のカリフォルニアには、醸造に時間がかかり販売しにくい赤ワインを避け、白ワインのみに特化する生産者は珍しくありませんでした。


Silverado Hill Cellars も1985年まではピノ・ノワールを栽培していました。


しかし。経営的理由によりチェーンソーで切断し接ぎ木による品種更新で、シャルドネとソーヴィニヨン・ブランに換えられました。


そして、1989年には、そのソーヴィニヨン・ブランも我々の目の前でチェーンソーの音とともにシャルドネに換わり、自社ブドウ園はシャルドネ単一という大変シンプルな品種構成の経営を強いられる結果となりました。
 
こうして、私はワイン醸造に携わった
最初の5年ほどは白ワインの醸造のみを
行う現場で過ごしていました。


今でこそカミングアウトしますが、就職活動の際、今ほどワインに対し強い思いどころか、全く造詣のない状態でした。


大学時代、学生バンドをしていた私は、単に「アメリカの西海岸カリフォルニアのサンフランシスコから車で小一時間のワイン産地で勤務」という文句に釣られて入社を決意したのです。


ワイン造りに面白みを見出せなかった当時の私には、その白ワイン醸造の現場も週末のサンフランシスコなど本場のミュージックシーンや生のアメリカ文化の実体験からすれば、単なるルーチン業務に過ぎませんでした。
 


こうして白ワインだけを醸造する日々が
約5年経った1993年に変化は突然起きました。 


この続きは、又明日以降に書いていきます!
#ナパバレー #カリフォルニアワイン #カベルネソービニヨン

エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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