ワイン王国 YouTubeオンラインセミナー最終回 ご報告 Part1


6月27日から3回に渡りお送りしたワイン王国「日本ワイン注目のグラン・クリュ」YouTubeオンラインセミナーもいよいよ、昨日最終回を迎えました。


最終回の内容
第3回目 8月6日(木)19:30~21:00
テーマ: ~日本ワインのニューウエイブ~
<広島 三次(みよし)、熊本 菊鹿(きくか)、大分 安心院(あじむ)>


初回と2回目
第1回 6月27日(土)14:00~15:30
テーマ:上山、高畠 上和田 ~山形県の日本ワイン造り~


第2回目 7月11日(土)14:00~15:30
テーマ: ~日本ワイン誕生の地、そして他地域への派生~<山梨 峡東(きょうとう)・中北(ちゅうほく)、京都 京丹波(きょうたんば)>


最終回に関してのご報告を①三次②菊鹿③安心院の3回に分けてご報告していきます。
テーマ: ~日本ワインのニューウエイブ~
<広島 三次(みよし)、熊本 菊鹿(きくか)、大分 安心院(あじむ)>


本日は、「~日本ワインのニューウエイブ~」 広島 三次(みよし)についてです!


中国地方の内陸部の交通の要所、広島県の三次市に位置する、1994年創業の三次ワイナリー。西日本で栽培されたマスカット・べーリーA品種として初の金賞を日本ワインコンクールで勝取った生産者として知られています。


広島市より内陸へ1時間ほどの三次盆地は、1500万年前は第一瀬戸内海という海の底で、広島県で有名な牡蠣の化石も発掘されるのでビックリです。


そこで起きた数々の偶然、きめ細かい生食用ブドウの栽培で培った技術に優れた栽培家の木津田氏。ニュージーランドでワイン醸造学を修め研鑽を積んで帰国し三次ワイナリーに加わった醸造家の太田氏。


この二人の出会いによる化学反応が、芳醇な風味を放つ新世界ワイン産地のピノ・ノワールのような赤ワインを誕生させました。濃厚なマスカット・べーリーAが高い評価を受けるトレンドのなか、直球勝負でブドウの風味をグラスの中で再現するスタイルとの比較を説明し、それが如何に難しく価値のあるものかをセミナーでは共有しました。


さらに、木津田氏の畑でマスカット・べーリーAが植えられた1964年は東京五輪の開催年、三次出身の酒井義則氏が聖火ランナーの最終走者として国立競技場を駆け抜けました。 酒井氏が、その大役に選ばれた理由は、1945年、広島に原爆投下がされた朝に生まれたという事実で、平和の祭典である五輪に誓った日本の強い願いでした。


加えて、その東京五輪から52年後の2016年の前回の五輪であるリオ大会で、女子200m平泳ぎで金メダルを射止めたエースは、酒井氏の後輩にあたる三次高校出身の金藤理惠選手でした。その酒井氏が生まれた「忘れられない日」から、75年目の昨夜に、このオンラインセミナーでその話しをシェアできたことも、何かのご縁でしょう。


テロワールの背景を支える、人と技の出会い、また同じ三次という霧深い内陸の町からうまれたエポックメーキング的なドラマの数々、三次ワイナリーのワインを通じて、このテロワールのもつ可能性を体験することは、何か底知れないエネルギーがもらえそうな気持ちにさせてくれました。


イチゴのような優しい味わいとともに黒い果実で上品にバランスされ、キャラメルのようなオークの風味と融合する味わいを放つ木津田ヴィニヤードのマスカット・べーリーA、また対照的に濃厚で深い味わいから、ワイン醸造で高い抽出が行われたことを感じさせる芝床ヴィニヤードの同じ品種のマスカット・べーリーA、同じワイナリーの同じ醸造家が異なる技法を駆使したワインを体験できる飲み方が楽しめます。


ご興味のある方は、広島の酒商山田さんに在庫があるようです。是非、お試しになってみてください!


広島三次ワイナリー TOMOE マスカットベリーA 木津田ヴィンヤード 720ml

広島三次ワイナリー TOMOE マスカットベリーA 芝床ヴィンヤード 720ml


エノリューション

代表の川邉久之は、カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワイン醸造に携わり、国内ワイナリーのコンサルタント、醸造責任者を経てワイン醸造技術士として独立。日米30年以上のワイン醸造経験を生かしたワインに関わる問題解決と発展を使命として活動中。

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