YouTubeオンラインセミナー 報告 Part2 熊本 菊鹿
8月6日に最終回を迎えた第3回YouTubeオンラインセミナー。
このご報告をするにあたり最終回の内容をもう一度記載しております。
第3回目 8月6日(木)19:30~21:00
テーマ: ~日本ワインのニューウエイブ~
<広島 三次(みよし)、熊本 菊鹿(きくか)、大分 安心院(あじむ)>
ご報告Part2として、本日は熊本県の菊鹿エリアに関してまとめていきます。
「~日本ワインのニューウエイブ~」 熊本 菊鹿(きくか)編
下関と門司をつなぐ関門海峡を超え九州、壮観な建造美を誇る橋の距離は車で駆けると僅かですが、ワインの金メダルがこの海峡を越える道のりは、2003年位まで非常に遠いものでした。降水量も多い高温多湿の九州は、夏から秋の収穫期にかけて台風の通り道、ワイン用醸造ブドウの栽培では、決して適した条件とは言えません。
その九州、熊本に、1998年に設立された熊本ワインは、内陸の渓谷、菊鹿町でワイン用ブドウ栽培に向け契約栽培農家を募りました。そのとき、集まったのは僅か3軒、全員が未経験の素人さんでした。そして菊鹿町のシャルドネが実った2003年の収穫、ここで、それまで日本ワインの歴史で初の真夜中の収穫、いわゆる “ナイトハーベスト” に挑み、さらに、フランス樽で発酵するというブルゴーニュ地方の醸造方法を入念に再現しワインを醸しました。
熊本ワインの母体となる企業は海外事業のひとつとして米国のナパヴァレーでワイン事業を展開した経緯から、カリフォルニアで1990年代より行われていたナイトハーベストの利点に着眼点をおき、また新世界スタイルの果実風味と高級なフランス樽由来のオークの融合性が高まる醸造方法への知見がありました。
オンラインセミナーでは、ナイトハーベストが米国で始まった背景と、ワイナリー経営における利点、また樽発酵が及ぼすワインのスタイルでのポジティブな効果を列挙して説明しました。
そして、このナイトハーベストの手法を用いたこのワインは翌年 2004年の国産(現 日本)ワインコンクールで、九州勢として初の金賞受賞、金色のメダルが初の関門越えを成し遂げました。さらに、2009年のアジア最大に国際品評回である、ジャパン・ワイン・チャレンジで、最優秀新世界白ワインとしてトロフィー賞を受賞し新世界(欧州以外の国、豪州などの生産国)の頂点に立ち、世界基準の評価を受けました。受賞の色が金、プラチナ、トロフィーに変わるにつれ、それは遂には “幻色” になり、ワインは発売とともに瞬時に完売となりました!
その間、他の九州のワイン生産者は、隣接する熊本ワインの内外の受賞に刺激され、金賞を含む上位入賞ワイナリーのなかで九州は常連となり、高い品質が安定して認められ短期間で高級ワイン生産地として形成されました。
僅か、3軒の未経験な農家で始まった菊鹿のブドウ栽培は、熊本ワインのみならず九州全体のワイン形成に波及したとも捉えることができ、これは新しいワイナリーのブランディングを行う一つのモデルとして普遍的な原理原則になるでしょう。
今回紙面でご紹介したワインは、
菊鹿ナイトハーベスト 小伏野 2017ですが、こちらは既に完売のようです。。
但し、他のシリーズで是非一度熊本ワインをトライしてみては、如何でしょうか?
熊本の川上酒店さんには、熊本ワインのシャルドネ、ノン・ヴィンテージやシャルドネ樽熟成2018も8月10日から発売開始だという事です。安心院のスパークリングワインなどもお取り扱いがあるようですので是非、チェックしてみて下さい!
セミナーを受講頂きました皆様、並びにワイン王国のスタッフの皆さま、そしてこの記事をお読み頂いた皆様、ありがとうございました!
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